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新しい細胞で空間記憶 京大グループ、マウスで証明

成体の脳の中で新しくできる神経細胞(ニューロン)が空間記憶で機能していることを、京都大ウイルス研究所の影山龍一郎教授、今吉格研究員らのグループがマウスの実験で確かめ、英科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスで31日に発表した。
 脳の神経細胞の多くは胎生期に神経幹細胞が分化してできるが、成体になってからも脳の内部にある「海馬歯状回」と呼ばれる部分などで幹細胞から新たに作られ、学習や記憶などで働いていると考えられている。影山教授らは、新生した神経細胞を標識したり、選択的に死滅させる技術を開発、新生細胞が働く場所と機能を調べた。
 海馬歯状回では、新生細胞が既存の神経回路に追加するように組み込まれていた。神経細胞を新生できないマウスの行動を解析すると、1週間後にマウスにとって快適な穴の位置を忘れるなど、空間記憶に障害が起こった。
 神経細胞は、においの刺激信号を処理する脳の「嗅球(きゅうきゅう)」と呼ばれる部分でも新生されている。新生細胞ができないと既存の細胞が死んで細胞の数が減り構造が崩れるが、2カ月の観察では、においの記憶などで変化はなかった。長期的に確かめる必要があるという。
 影山教授は「大脳皮質でも、脳梗塞(こうそく)など疾患時には神経細胞が新生すると考えられている。このマウスを使って再生医療につながる研究も進めたい」と話している。 (京都新聞)